<Column> 山本 拓也さんのうつわ
1月 26, 2025 exhibition , NEWS , other , 山本拓也
しっとりとした乳白色に絶妙なツヤありの仕上げ。
温かみを感じられるものの、どこかピリッと緊張感も生み出してくれるような静けさをもつ器たち。
今回は、大阪を拠点に作陶を行う山本 拓也さんの器について少し詳しくご紹介します。作家さんの器を初めてご覧になる方や、器のご購入をご検討されている皆さまなど、ご参考までにお気軽にお読みいただければと思います。
>制作の技法について
山本さんの器は「型打ち」と呼ばれる、ろくろと石膏型をどちらも使用し成型する技法を用いて制作されます。
その製作工程は、まず、ろくろで器の形を作り、生乾きの素地を石膏型にかぶせる。その素地を布で覆い上から手で押さえ軽く叩いて型に密着させることでかたちをつくるというもの。
ろくろだけの成型より手間がかかりますが、より複雑な形状を実現できるため、山本さんの八角皿や輪花皿は型打ちならではの形ともいえます。
反対に、完全な型のみの成形より、ろくろや型を写す工程などに多くの手作業が介入するため、一つ一つには個体差が生まれ、輪郭にも揺らぎが伺えます。そのため、型のみの成形ともまた違った佇まいがあります。
>たとえばスタッキングして収納した姿。個体差がわかりやすく表れるこの姿が個人的にとても好きです。
山本さんの器には、西洋のヴィンテージの器を参考に形作られているものが多くあります。特に17世紀のオランダ・デルフト陶器をモチーフにしているものが多く、山本さんの器の印象的な乳白色も当時デルフトで特定の短い期間のみ焼かれていた絵付けのない白釉のデルフトの陶器たちがイメージの源泉になっているのだとか。
他にも、こちらのマグカップはフランスのエナメルマグを模倣して制作されたマグ(白、黒)。艶ありの釉薬が相まって本当の琺瑯にも見えてくるのが面白いです。近くへ寄ると焼き物ならではの釉薬、土の表情が見えてきます。
>土と釉薬
山本さんの器の特徴の一つである乳白色は表面にかかった透明の釉薬が結晶化することで生まれる絶妙な奥行きから生み出されています。また土は半磁土を使用しているので、陶器と比較して強度もあり、食洗機がご使用いただけます。釉薬がひけるエッジ部分の土の色味も魅力の一つです。ataWで開催した個展 「still life」(2024.12.〜2025.01)では、グレーや黒色もツヤありの釉薬で仕上げていただきました。グレーと黒は、生地の土に、黒色を混ぜてトーンを落とすよう調整されており、釉薬が透けて見える土の色にまでこだわりが詰まっています。
>焼き物ならではの特徴
山本さんの器は一見すると均質であるように見えますが、先述した通り、手作業も多く介入した制作方法をとっています。そのため、一つ一つに形の歪みや微妙な色味の個体差、ピンホールや黒点、目跡などが見られます。焼き物ならではの特徴としてお楽しみいただけますと幸いです。
ぜひ、山本さんの器を日常のシーンに当てはめて想像を膨らませつつ選んでみてください。
山本さんの器のご購入は こちら
FIRMUM 2025秋冬 先行受注会
1月 12, 2025 exhibition , FIRMUM , shop info
2025年1月18日(土)より、25AW FIRMUMの先行受注会が始まります。少し気が早い様ではありますが、次の秋冬物のサンプルをご試着頂きながら、お好みの形・サイズにてご予約頂ける機会となります。
先日大阪での展示会にて実際にサンプルを拝見しましたが、特に目を惹いたのは肌触りの柔らかいギンガムチェックの生地。型数も多くシャツからパンツまで幅広い展開になっていました。また秋冬とはいえど、通年で活躍しそうなTシャツ、軽量ながら温かく過ごせるユニークな生地のものなど今回も新鮮かつ楽しんでご覧頂けるかと思います。 ユニセックスのブランドですので、どなたでもお試しいただけます。
同時に、店頭ではセールも18日(土)より開催となりますので、ぜひこの機会にお越しください。 どうぞよろしくお願い致します。
【FIRMUM 25AW 先行受注会】
開催期間:1月18日(土)〜1月27日(月) 営業時間:11:00〜18:00 会期中の休業日:1月22日(水)23日(木) お問い合わせ:info@ata-w.jp / 0778-43-0009
山本 拓也 個展 「 still life 」
12月 13, 2024 exhibition , NEWS , other , 山本拓也
大阪を拠点に作陶を行う作家、山本拓也(@yamamoto.kiln )による個展「still life」をこの度ataWにて開催いたします。 ろくろによって成形した素地を石膏型に押し当てて叩き締めることで成形する「型打ち」という技法で制作される器は、鋳込みなどの成形より手作業が多く介入し、均質な形状の中に人の手による輪郭の揺らぎが垣間見えます。型打ちは、八角皿やレリーフ皿など西洋のヴィンテージ皿を連想させる複雑な形状が実現されているのもこの技法ならではの表現です。 山本の器には現代の多様な食卓と調和しながらも程よい緊張感が存在しており、食事の時間がすこし丁寧で贅沢に感じられる力があります。 今回の展示では、琺瑯カップをモチーフにしたマグカップをはじめ、カフェオレボウルや耳付きのスープボウルなどが定番の乳白色だけでなくグレーや黒色の釉薬で仕上げられた器が並びます。生活の中で静物画のように佇み、ふと引き込まれる器との出会いをぜひ会場にてお楽しみください。 山本 拓也 個展 「still life」 会場:ataW 〒915-0256 福井県越前市赤坂町3-22-3 会期:2024年12月14日(土)~2025年1月13日(月) 11:00~18:00 作家在廊予定:12月14日(土) 休業日:水、木曜日/年末年始休業日(12月31日~1月5日) ※オンライン販売開始予定日は現在未定となっております。予めご了承ください。 お問い合わせ info@ata-w.jp / 0778-43-0009
Photo Kyoko Kataoka
吉行良平 個展
10月 26, 2024 exhibition , NEWS , other
大阪を拠点に活動を行うプロダクトデザイナー吉行良平の企画展をataWにて開催します。
素材に触れ、手を動かし試作と検証を繰り返すことで、独自の形(Form)を見つけ出すプロセスは、まさに“Form find”という言葉が相応しい。日常生活の中での気づきや感じたことを丁寧に拾い上げ、あるべき構造や形、素材、色を設計していく吉行のデザインには不思議な心地良さと魅力があります。
今回の企画展では、越前和紙を使ったモビールや越前漆器の塗装技術を活用し製作、試行したオブジェクトや家具をはじめ、大阪の各職人たちとの協働で製作した新作家具、プロトタイプから、2023年ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展でのイタリア滞在制作から生まれたベンチなどを多数展示・販売予定です。また、コロナ禍に子供の手洗い用にデザインした踏み台『small step giant leap』のataW別注カラー(ForestとBrick)の受注販売も行います。吉行良平の近年の活動の集大成とこれからが存分に詰まった展示になる予定です。
吉行良平 個展 Date:2024年11月1日(金)– 11月24日(日) ※水・木定休日 Place:ataW(アタウ)https://ata-w.jp IG@ataw_fukui Address:〒915-0256 福井県越前市赤坂町3-22-3 Opening hours: 11時-18時 Tel:0778-43-0009
Collaborator: Atelier Tuareg, iei studio, SEKISAKA, Toshikazu Y, zen to vba2023jp
吉行良平 IG@ryoheiyoshiyuki
1981年大阪府生まれ。Design Academy Eindhoven卒業。現地オランダのデザイン事務所、プロジェクトにて経験をつみ帰国後自身のデザインスタジオ「吉行良平と仕事」設立。製造会社、職人との協働で行う家具、日用品の設計製作を中心に行う。環境、状況における造形をみいだす/ form find をもとに、手で素材を動かし実験、検証を繰り返しあるべき構造、色、形を探る。
7月の営業案内
7月 01, 2024 exhibition , holiday , NEWS , shop info
7月の営業案内です。
23日(火)、30日(火)は臨時休業日とさせていただいております。ご不便をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。
夏至も通り今年も折り返しを始めたと思うと、月日の早さに驚かされます。
福井は蒸し暑さが続く梅雨真っ只中。
ataW店頭では、ガラスのオブジェや、グラス、ガラス製のマドラーなど、視覚的にも非常に爽やかな商品が入荷しており、梅雨明けの晴れを待ち遠しく思いつつ夏らしいしつらえに想像が膨らみます。ぜひ店頭にも足をお運びください。
7月も皆様のお越しを心よりお待ちしております。