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書籍:TORRINGTON PROJECT by Tom Burr
2021年から2024年にかけて作者は、この広大な元工場でのレジデンスプログラムを行った。従来の展覧会でもなければ通例よく見られるアトリエでもないこの場所でのプロジェクトは、作者が言うところの「リビング・アーカイヴ」、つまり過去の作品を再訪し、再文脈化し、時に復元する、そのための空間へと建物を変貌させた。純粋な制作の場というよりは、過去と現在の隔たりを取り払いながら、作者は自身の全キャリアの中で手がけた作品群を90点以上集めた。また、彫刻家でありパフォーマンス・アーティストのゴードン・ホール(Gordon Hall)、アーティストで舞踏家のマリア・ハサビ(Maria Hassabi)、アーティストであるニック・マウス(Nick Mauss)らを招いてパフォーマンスを行い、芸術家仲間たちにもスペースを開放した。このようにプロジェクトを展開することで、鑑賞者のネットワークも発展し、もちろんそのことも喜んで受け入れた。本企画は、作品の構想、受容、歴史的な視点での考察を行う中で、流動的にそれぞれが影響しあい作用していく様を探るものであり、作者は自身の作品が時間とともにどのように変化してきたかを振り返りながら取り組む。そして、最終的にこの研究は今、この本という形で展開されているのである。
美術評論家であり美術史家のジョージ・ベイカー(George Baker)、「ディア芸術財団(Dia Art Foundation)」などでキュレーターを務めるジョーダン・カーター(Jordan Carter)、アーティストでありキュレーター、評論家であるアリア・ディーン(Aria Dean)、キュレーターでありライターのジョディ・グラーフ(Jody Graf)、アーティストで映像作家、ライターであるルネ・グリーン(Renée Green)、美術評論家であり美術史家、キュレーターのデビッド・ジョセリット(David Joselit)、ギャラリーやアートフェアでのディレクターを務めた経験を持つクリスティン・メッシネオ(Christine Messineo)、「ディア芸術財団(Dia Art Foundation)」の副プログラムディレクターとしての経験を持ち、キュレーション、出版、教育に携わるウンベルト・モロ(Humberto Moro)、美術研究者であり作家のブレイク・オーティン(Blake Oetting)による文章を収録。加えて、作者が本プロジェクトを振り返る文章、広範に及ぶ記録やアーカイブから抜粋されたエフェメラなどもあわせて掲載する。
このプロジェクトは、建築、インスティテューショナル・クリティーク(文化機関の仕組みに対する体系的な研究、批評、分析)、私史、公共空間の変容などと作者との継続的な関わり合いを力説しながら、このプロジェクトのタイトル「TORRINGTON PROJECT」を決定づける、社会的かつ空間的次元を視覚的にまとめている。
書籍名:TORRINGTON PROJECT by Tom Burr
頁数:400ページ(ソフトカバー)
サイズ:210 x 292 mm
発行元:PRIMARY INFORMATION
発売年:2025年
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